もっとも美しい数学 ゲーム理論

作成日時 2011/01/29 14:26:02 タグ , , , , ,

[ 文庫 ] もっとも美しい数学 ゲーム理論 (文春文庫)
著者/訳者:トム ジーグフリード
出版社:文藝春秋( 2010-09-03 )
定価: ¥ 860 ( 在庫あり。 )

 物質そのものを表す「E=mc^2」に続いて、今度は人間行動のそのものを表す(と言われている)「ゲーム理論」についての本を読んでみた。この本もE=mc^2 世界一有名な方程式の「伝記」と同じようにゲーム理論に関係ある人々たちとそのエピソードごとに綴られていく。そのため、理論を具体的に使いたいために理解すると言うよりは、理論成立の流れと共に理論は俯瞰する形で大まかに理解したい人向けで、オイラには面白く読めた。
 
 さて、ゲーム理論とは人間の行動を数学的に予測することを目的としている。これを物質の温度を測ることに例えて説明していたのは非常に分かりやすかった。温度はその物質を構成する分子の運動エネルギーの「統計値」を測ることで得られる。個々はバラバラであっても全体で見れば計測可能になると言うのは、確かに社会を構成する人間でも当てはまりそうだ。個人単位の人間の行動は合理的だったり情緒的だったりするが、全体で見れば政治や景気などの動向のようにある程度数値化出来る。さらにそれらを「社会の温度」という形容可能なところも面白い。
 ただ、温度を正しく測るには周りの環境因子を「なるべく」正しく得る必要がある。たぶんここが一番難しそうだが、おそらくゲーム理論を応用していると思われる投資会社の莫大な利益を見ていると実現できているのであろう。その辺の具体的な計算は確率論や量子力学などの専門家に任せるとして、不可能では無いと言えることは重要だ。
 
 さらに今現在であれば、インターネットの普及により容易に人々を関係づけることが可能になって来た。つまり、インターネットコンテンツ開発にはますますゲーム理論の利用価値が高まっていると言うことだ。いや、Facebookあたりでは、既にそれを上手く活用していると考えた方が理に適うだろう。特に著名なSNSゲームが億人単位のユーザ展開で多大な収益を得ているのを見ると。
 
 まぁそこまで大きく捉えなくても、チームのマネージメントレベルでゲーム理論の利用を考えることも出来ると思う。人間の行動も結局はエネルギー使用が最も低い状態(平衡状態)に向かうことから、それらの要因を探れば生産性向上などにも応用できるのでは無いか?とかね。

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E=mc^2 世界一有名な方程式の「伝記」

作成日時 2011/01/07 16:39:46 タグ , , , , , ,

[ 文庫 ] E=mc2――世界一有名な方程式の「伝記」 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
著者/訳者:ディヴィッド・ボダニス David Bodanis 池内 了(解説)
出版社:早川書房( 2010-09-22 )
定価: ¥ 924 ( 在庫あり。 )

 女優のキャメロン・ディアスさんが意味を知りたいこととして「E=mc^2」をあげていたことから話はスタートする。このたった3つの物理量と2つの数学記号で表されただけの公式について、その重要性を理解している人は多いが、その意味まで理解している人は少ない。実際、オイラもこの公式のお陰で原子力発電所やGPSなどが実現していることは知っているが、何でエネルギーを求めるのに光速を二乗するのだろう?などの疑問はずっと持っていた。
 この本では、まず、E(Energy)、m(mass:質量)、c(celeritas:光速)、^2(二乗)それぞれの要素について深く関わる科学者たちや、これらを結びつけたアインシュタイン、その後の原爆開発競争に奔走する人々の逸話を通して、理論的と言うよりも伝記的に紹介している。特に、小学校しが出ていないファラデーと天才数学者であるマックスウェルとの親交や、徴税官でもあったラボアジェ、フランス貴婦人エミリー、ナチス占領下のノルウェー重水工場破壊工作あたりのエピソードは印象に残ったね。
 
 とりあえず本を読むのは面倒という人は、この本が原作の動画↓を見るのも良いかも。 続きを読む »

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栽培植物と農耕の起源

作成日時 2010/12/18 18:11:55 タグ , , ,

[ 新書 ] 栽培植物と農耕の起源 (岩波新書 青版 G-103)
著者/訳者:中尾 佐助
出版社:岩波書店( 1966-01-25 )
定価: ¥ 777 ( 在庫あり。 )

 初版が1966年と言うことで、さすがのオイラも生まれておらず科学的に見ちゃうと古くさいかも知れない。しかし、世界各地の特色ある農耕を民俗的な見地から語られるあたりは、人類進化の歴史が垣間見られる感じで面白い。また、ただの野草だった植物が人類と接することで雑草(栽培植物)へ変化していったというくだりはなるほどと思った。このあたりが、現在まで再版され続けている人気なのかも知れない。
 内容としては、バナナやイモに代表される人類にとって最も基本的な栽培植物である「根栽農耕文化」からスタート。そしてインドやアジアから中央アフリカに広まったクズや茶に代表される「照葉樹林文化」。その周りに発達する雑穀や豆に代表される「サバンナ農耕文化」が花開く。
 この雑穀はアジアの湿地帯と結びつき10億人以上の食糧となるイネを発達させ、逆に湿地帯の少ない地中海沿岸は灌漑技術が発達することで増産が可能になったムギやエンドウに代表される「地中海農耕文化」が起こった。これらにより帝国を擁するまでの文明を築くことが出来たという。
 一方、新大陸ではある程度独自の進化がみられたが、いかんせん時間が足りなかった。現代においてコストパフォーマンスの高い栽培植物として知られるジャガイモやトウモロコシは「新大陸の農耕文化」の代表である。コロンブス到達があと500年ほど遅れてくれれば、新大陸にも旧大陸に匹敵する文明に至れたかも?という仮定はオイラもわくわくするので同意したいね。

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ガンダムと日本人

作成日時 2010/12/08 20:59:57 タグ , , , ,

[ 新書 ] ガンダムと日本人 (文春新書)
著者/訳者:多根 清史
出版社:文藝春秋( 2010-11-17 )
定価: ¥ 819 ( 在庫あり。 )

 主に「機動戦士ガンダム」。いわゆるファーストガンダムをネタに日本人論を展開している本。
 1年戦争を「戦前の日本」vs「戦後の日本」とか、「ザク=零戦」「ガンダム=戦艦大和」とかの例えはなかなか面白い。特に後者については零戦が日本伝統の手作りだったことに対し、戦艦大和が日本初の大量生産の思考で作られた(戦後の高度成長に繋がる)という比較はなるほどと思った。
 そして、TV版「機動戦士ガンダム」が登場した1979年の時代背景について当時の米ソ対立と併行していた宇宙開発に関連づけて解説。確かにあの頃はいつ全面核戦争が起こっても不思議では無い冷戦にありながらも宇宙に対しては夢があったもんなぁ。
 また、おなじみの冒頭のナレーション「増えすぎた人口を~」が持つ負のイメージについて、ガンダムに熱狂した世代が「増えすぎた人口」である団塊世代と団塊ジュニア世代に挟まれた「人口の谷間」に位置していることから「自分たちの問題」として切実に捉えたというのは、思いも付いていなかったので新鮮だった。
 そして、最後に「2人のシャア」として小沢一郎氏と富野由悠季氏の生き様について考察。確かに両者とも自分の作った・愛したモノを破壊するし、トップに立てないという傾向は似ている。しかし、こじつけっぽい感じが強すぎるw。小沢さんについては「僕が一番小選挙区を上手く扱えるんだ!」よりは「今の私には総理にはなれん。ララァ、私を導いてくれ。」とかが良かったかも。
 まぁ、結構楽しんで読めたのでヨシとしようか。

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岩崎弥太郎と三菱四代

作成日時 2010/11/29 21:17:17 タグ , ,

[ 新書 ] 岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書)
著者/訳者:河合 敦
出版社:幻冬舎( 2010-01 )
定価: ¥ 819 ( 在庫あり。 )

 「三菱」を築いた岩崎家4代のお話。三菱の当主は初代弥太郎兄弟の血筋で交互にあとを継いでいるので、以下の系図を覚えておくとわかりやすいかと思う。

           喜勢
岩崎弥次郎      ┣━━岩崎久弥③
   ┣━━┳━岩崎弥太郎①
   美和 ┃      
      ┗━岩崎弥之助②
           ┣━━岩崎小弥太④
後藤象二郎━━━━━━早苗

 本書の中で、三菱は時代時代に相応しい当主が現れているという指摘は面白かった。 続きを読む »

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美の幾何学

作成日時 2010/11/20 16:47:14 タグ , , ,

[ 文庫 ] 美の幾何学―天のたくらみ、人のたくみ (ハヤカワ文庫 NF 370 〈数理を愉しむ〉シリーズ)
著者/訳者:伏見 康治 安野 光雅 中村 義作
出版社:早川書房( 2010-08-30 )
定価: ¥ 756 ( 在庫あり。 )

 物理学者、画家、数学者による幾何学の美しさについての鼎談本。元々30年ほど前に刊行していたものを今年文庫化したようだ。しかし内容が「美の幾何学」だけあって全然古さは感じない。さすが数千年の歴史を持つ「美」だけある。
 
 まずは基本的な美しさであるシンメトリーから始まり、生物的な対称性から貝や角の対数らせんに移り、結果論としての黄金分割、紋、繰り返し文様、エッシャー、寄せ木、アラベスク、遠近法と人間の目の頑固さ、四次元図形を描いてみるなどと話は進んで行く。対称、いわゆる文様などで使われる繰り返しのパターンは17種類存在し、それらを上手く使っていくと様々な寄せ木パターンが作れるというあたりは非常に面白かった。 続きを読む »

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新説 桶狭間合戦―知られざる織田・今川 七〇年戦争の実相

作成日時 2010/11/08 21:29:06 タグ , ,

[ 新書 ] 新説 桶狭間合戦―知られざる織田・今川 七〇年戦争の実相 (学研新書)
著者/訳者:橋場 日月
出版社:学習研究社( 2008-09 )
定価: ¥ 777

 桶狭間合戦のみのミクロを見るだけでは分からない、それに至る織田と今川の長期にわたる争いのマクロな背景を知ることで、よりダイナミックな歴史の流れを感じ取られる内容だった。また、地図が多いのも分かりやすくて良かった。
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倭人伝を読みなおす

作成日時 2010/10/26 21:44:18 タグ , , ,

[ 新書 ] 倭人伝を読みなおす (ちくま新書)
著者/訳者:森 浩一
出版社:筑摩書房( 2010-08-06 )
定価: ¥ 777 ( 在庫あり。 )

 卑弥呼の「以死」や張政については中々興味深いです。また、司馬遼太郎氏や地元歴史家などの意見も、納得できるモノはちゃんと考慮する姿勢は素晴らしいと思いますね。
 肝心の邪馬台国の場所は・・・実際に読んでみましょう。
 なお、対馬国、一支(壱岐)国、末盧(松浦)国、伊都(糸島)国、奴(那珂川流域)国、不弥(宇美川流域)国まではネタバレしても大丈夫でしょう。 続きを読む »

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読むだけですっきりわかる国語読解力

作成日時 2010/10/18 20:18:25 タグ , ,

[ 文庫 ] 読むだけですっきりわかる国語読解力 (宝島SUGOI文庫 D こ 2-4)
著者/訳者:後藤 武士
出版社:宝島社( 2009-09-05 )
定価: ¥ 480 ( 在庫あり。 )

 これは小中学生の時に読みたかったなぁ~と思わせる本。一応、対象は小中学生くらいだけど、社会人相手にも十分通用する内容だと思う。特に、オイラみたいに国語、特に現国が苦手だった人にの矯正には良いかな。国語を「答えが一つじゃ無いのが気に入らない」「作者の気持ちなんて分かる訳ないじゃん」とか思い込んでいる人にはね。 続きを読む »

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人は、なぜ約束の時間に遅れるのか

作成日時 2010/10/06 21:34:41 タグ , , ,

[ 新書 ] 人は、,なぜ約束の時間に遅れるのか 素朴な疑問から考える「行動の原因」 (光文社新書)
著者/訳者:島宗 理
出版社:光文社( 2010-08-17 )
定価: ¥ 798 ( 在庫あり。 )

 スキナーを創始者とする「行動分析学」について書かれた新書。「行動分析学」とは人の行動の問題や原因を、人の中にある「何か」(心とか性格とか)に求めるのでは無く、それ以前の行動の結果や環境を分析して求めようという考えのこと。
 人は行動を起こすと自ずとその結果のフィードバックを得るもの。嬉しいことがあったら次も行動しようとするし、嫌なことがあったら次は行動しないようにする。それらの要素を「強化」と「弱化」として表すこと(視考術)で、行動の本当の原因が見えてくる。
 そうすることで「性格」が単なるレッテル貼りであることや、「忘れる」という行動が存在しないこと、また、昨今叫ばれる「道徳観の欠如」についてもその人の印象論でしかないことも分かる。さらに「意識」について視考することで、強化や弱化のを利用することで行動そのものを変えることも可能となる(例:注意の張り紙よりも蠅マーク)。
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