栽培植物と農耕の起源
2010/12/18 18:11:55
レビュー, 食い物, 本, 歴史
[ 新書 ] 栽培植物と農耕の起源 (岩波新書 青版 G-103)
著者/訳者:中尾 佐助
出版社:岩波書店( 1966-01-25 )
定価: ¥ 777 ( 在庫あり。 )
初版が1966年と言うことで、さすがのオイラも生まれておらず科学的に見ちゃうと古くさいかも知れない。しかし、世界各地の特色ある農耕を民俗的な見地から語られるあたりは、人類進化の歴史が垣間見られる感じで面白い。また、ただの野草だった植物が人類と接することで雑草(栽培植物)へ変化していったというくだりはなるほどと思った。このあたりが、現在まで再版され続けている人気なのかも知れない。
内容としては、バナナやイモに代表される人類にとって最も基本的な栽培植物である「根栽農耕文化」からスタート。そしてインドやアジアから中央アフリカに広まったクズや茶に代表される「照葉樹林文化」。その周りに発達する雑穀や豆に代表される「サバンナ農耕文化」が花開く。
この雑穀はアジアの湿地帯と結びつき10億人以上の食糧となるイネを発達させ、逆に湿地帯の少ない地中海沿岸は灌漑技術が発達することで増産が可能になったムギやエンドウに代表される「地中海農耕文化」が起こった。これらにより帝国を擁するまでの文明を築くことが出来たという。
一方、新大陸ではある程度独自の進化がみられたが、いかんせん時間が足りなかった。現代においてコストパフォーマンスの高い栽培植物として知られるジャガイモやトウモロコシは「新大陸の農耕文化」の代表である。コロンブス到達があと500年ほど遅れてくれれば、新大陸にも旧大陸に匹敵する文明に至れたかも?という仮定はオイラもわくわくするので同意したいね。

コメント無し